なんか、小難しいタイトルになったしまったが、中〜超大企業になると必ず直面する問題がある。
それが、全体最適を取るか個別最適を取るか。
その昔、僕は世界100か国に展開し、従業数30万人も要する外資系の金融機関の東京支店に勤めていた。新卒で入社しOJTを終えてからは、法人営業として働いていた。
そこでは、たくさん「こんなこと、手間ばかりで面倒くせぇーー」みたいな経験をしてきた。全ての営業案件を事細かに社内の顧客管理ツールに加入しなければならなかった。いつ誰とどんなことを話して、何の商品がいくらで売れそうで、いつから売上になって、誰がキーパーソンだったか、そして、さらにアップセルできる可能性があるのかなどなど、、、使いづらいし、見にくいし、何を入れればいいかよく分からない項目があるし、なんじゃこりゃ!みたいな。そんなのを入力してる手間があれば、案件の社内稟議書や顧客への提案書をさっさと準備して、案件を進める方が会社に貢献できるやろがー!って思ってた。
僕は従順なサラリーマンだったので (あっ、今でもそうやで笑) 、良い子代表としてそういうことはきちんとやってたんやけど、やっぱり気持ち的には面倒臭さが収まらなかったかな。
それよりも、簡単な案件フォローリストを手元に作っておいて、自分なりの顧客ノートがあれば、僕にとっては何よりの営業管理ツールになるわけやん。
とまぁ、これが部分最適、というやつ。営業担当者個人レベルでみると超非効率に感じられて、自分のパフォーマンスを最優先すること (もしくは、そう感じてしまう)。
一方で、全体最適の話。
では、なぜ、こんな事細かに入力することを、当時の僕の上司は求めたか。それはその上司の上司、そのまた上司あたりかまたその上が決めたから笑。ほんなら、なんでその上の人たちはそれを求めたか。多分いくつか理由があるはずだ。
一つ目に、個人やチームの貢献度やパフォーマンスを可視化するため。再度、金融機関の時の話を例にすると、遠く離れた経営陣でも、一目でどの国でいくら儲かっていて、それは誰の貢献なのかが瞬時にわかる。それは人事査定にも使われたりする。個人個人の形式で管理していたら、全くもって把握できないだろう。さらにこれには、サボらせないようにするため、というのもあるはず。活動を可視化することで、営業マンとしては動機付けになる。簡単に言うと、全然アポ入ってへんやん、全然案件化できてへんやん、みたいなことを言われるから笑。
次に、分析するため。
ようは、何故売れないのか、どうやったらさらに売れるのかを考えるため。これはいわゆる営業企画部とか営業推進部みたいなところが、絡んでくるのが一般的かな。例えば、A, B, C三つの商品を営業部は担当してたとする。営業部全体で見れば、三つの商品を満遍なく33%ずつ契約できているけど、トップ3の営業マン三人はA商品とB商品の契約で売上のほぼ100%しめているというケースもあったりする。それは、担当者として商品が売りやすいからか、ニーズによりマッチしているからか、それとも、リードからクロージングまでに要する時間が短いからなのか、、色んなことがデータからは見えてくる。その傾向などを見出し、それを横展開して、チームや会社として、底上げをしていく、といった感じ。
最後に、そして、最後に会社の資産として蓄積するため。ポイントは「会社」としての資産、ということ。営業マン個人個人のものではない。つまり、僕個人で顧客ノートを作ったりしていても、それは会社の財産として残らない。僕が退職すれば、それをうまく引き継げない限り、会社には単純に僕が得てきた名刺しか残らず、なんのノウハウや情報が貯まっていかないのだ。だからこそ、全ての情報を保管しておき、それを資産として積み上げ、将来に活かす必要がある。実際に、昔、先輩が退職した時にお客さんを引き継げないことがあり、なんの情報も残っておらず困ったということがあったし。
長くなったけど、「営業」という観点で、僕が経験してきたことを書いたが、この部分最適、つまり、個人がやりやすい方法でやると、僕個人としてのパフォーマンスは上がる。でも、会社としての効率性や効果は犠牲にせざるを得ないことが起こる。
その逆に、全体最適だけを目指すと、現場ではうまく機能しないことが起こることが多い。例えば、こんな入れるの面倒くせぇーーとか、こんな意味のない数字入力してどーすんねんとか。手間ばかり増えるわけです。
この手の問題は、バランスが重要。永遠に答えはないと思います。どこまで個人で対応してもらうか、そして、どこまで会社として許容出来るか。実際各個人レベルに定着できるか。それは何を目指すか、どこまでやりきるかによって全然変わってくると思います。
前にも話したが、今、OWNDAYSというメガネ屋さんの海外事業部にいる。現在10か国に展開しており、この辺りの議論が今後もっと増えてくる気がする。そして、来年には300店舗200億円という数字を目指し、さらには将来1000億企業になるためには、避けては通れないと思う。たぶん、1000億企業になれば、進出国も20か国とか30か国とかになってるだろう。
その中で僕は、
国際的な金融機関での経験
ベンチャーにおけるノウハウの蓄積重要性
事業責任者を務めた時の視座
をフル活用して、現場にも会社にも良いバランスの全体最適と部分最適を考えられる、海外事業の推進者に僕はなりたいと思う。
って、今日は文字ばっかのブログになってしまいました!笑。
ちなみに最近、英語でのツイートを試みています。
Professor Google tells me anything if I ask. But you have to know how to ask when you want Prof. Google to answer you.
Fighting with Google Spreadsheet this week.
— 📪安田則之 / Nori Yasuda (@norrya) 2018年7月5日
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